本稿では、知的障害児24名と健常児21名の中学生が参加した「交流及び共同学習」について報告する。授業は年度内に計10回行い、その内容は、カードを用いた自己紹介やレクリエーション活動(4回)、スポーツを用いた交流(3回)、ポスター制作(3回)であった。授業開始前と終了後を含む計4回の質問紙調査(授業に参加した知的障害児のうち5名、授業に参加した健常児全21名、授業に参加していない健常児191名)と、スポーツを用いた交流の様子に関する他者評定(n=14)からは、授業が知的障害児と健常児の双方に対する好意的態度を構築し、さらに、健常児の好意的態度は交流対象である知的障害児だけでなく、知的障害者全般に対する好意的態度に般化したことが明らかになった。また、教師による体育技能評価からは、知的障害児と健常児双方の体育技能が向上したことが認められた。