特殊教育学研究
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実践研究
反抗挑発症と診断された男児に対する家庭訪問による行動的介入の効果
藤田 知也
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2024 年 62 巻 1 号 p. 37-45

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抄録

反抗挑発症(oppositional defiant disorder; ODD)は、小児期にみられる精神行動障害として頻度が高く、公衆衛生上の重要な課題である。しかし、国内ではODD児を対象とした症例の報告は少なく、特に家庭訪問による行動的介入を適用した実証研究は見当たらない。本研究は、来所相談に困難を示す注意欠如・多動症と自閉スペクトラム症を併存する反抗挑発症の男児に対して、家庭訪問による行動的介入を子どもや保護者の介入受容度に応じて段階的に実施し、その効果を検証した。介入では、先行子操作、低頻度行動分化強化、代替行動の形成を行った。その結果、反抗的行動は減少し、代替行動が増加した。この効果は、1年後のフォローアップ期においても維持していた。このことから、ODD児に対する家庭訪問による行動的介入および介入受容度に応じた段階的な介入の有効性が示唆された。

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