抄録
本研究は、小学校特別支援学級に在籍する2名の知的障害児を対象に、刺激ペアリング手続きを活用し、どのような漢字の読みの指導が児童の記憶に残りやすいのかについて検討を行うことを目的とした。用いた指導法は次の3つであった。プリントで漢字の読みを学習する方法、タブレット端末を用いて刺激ペアリング手続きを活用し、漢字の読みに基づく意味を表す絵が描かれた単純な絵刺激で漢字の読みを学習する方法、タブレット端末を用いて刺激ペアリング手続きを活用し、漢字ドリルに出てくるような短文を使用し、短文が示す状況が描写された絵刺激で漢字の読みを学習する方法。後者2つはタブレット端末を用いて実施した。指導の結果から、刺激ペアリング手続きを活用し短文刺激で学習する漢字の読みの指導法が、児童の記憶に最も残りやすい可能性が示唆された。