抄録
本研究は、攻撃行動を伴うインターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder: IGD)の男児に対して、家庭訪問による行動的介入を行った。本介入では、安全面への配慮を前提としつつ、ゲームの利用時間に対して低頻度行動分化強化を適用し、また代替行動として登校行動の形成を図った。その結果、ゲームの利用時間の減少と登校率が増加し、攻撃行動は減少した。1年後のフォローアップにおいてもゲームの利用時間と登校率は安定し、攻撃行動は介入終了時の水準を維持していた。攻撃行動を伴うIGDに対する行動的介入の効果と課題について考察を行った。