徳島文理大学研究紀要
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ランドマーク商品に関する比較史的考察試論(1)―日本におけるオートバイの普及とその背景―
鍛冶 博之
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2020 年 100 巻 p. 1-12

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抄録

近年のランドマーク商品研究の課題のひとつとして,比較研究の重要性を指摘できる。特にランドマーク商品の国際比較研究は,日本に偏重しがちであったランドマーク商品研究の多様化と深化を図るだけでなく,海外の視点から日本社会を眺望するうえで重要な研究視点である。本稿はこの点を踏まえたうえで,交通の商品史的研究の事例分析として,日本におけるオートバイの普及経緯とその背景を考察する。本稿第1章では,日本においてオートバイが出現し普及した経緯について,明治期,大正期・昭和戦前期(〜1940年代前半),終戦直後(1940年代後半),1950年代前半,1950年代後半〜1970年代前半,1970年代以降の6時期に区分して考察する。本稿第2章では,オートバイが日本社会に普及した要因を12項目列挙して考察する。本稿で展開するオートバイに関する研究は,将来的なランドマーク商品の国際比較研究を見据えた基礎研究としての意味を持つ。

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© 2020 著者
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