2018 年 96 巻 p. 45-56
【目的】食後高血糖は放置すると糖尿病を発症しやすく,心血管疾患のリスクとなるため,早期に改善しなくてはならない。食後血糖値の上昇は食品の食する順番によって抑制できることから,簡便な指導法として広く導入されてきた。そのため本論文では,より効果的な食べる順番について検討を行った。【方法】 健康な学生を対象とし,ご飯,タンパク質,野菜を用い摂取内容を変え実施した。摂食後,血糖値と尿中インスリンを測定し,食べる順番の効果を評価した。 【結果】野菜やタンパク質をご飯より前に摂取することにより血糖上昇の抑制がみられた。また,尿中インスリン量はタンパク質の摂取により増加し,野菜の摂取も尿中インスリン量が増加傾向となった。 【結論】タンパク質を多く含む食品や野菜をご飯の食べる前に摂取することにより,食後高血糖が抑制されることが示された。また,炭水化物以外の摂取でもインスリンの分泌が増加する可能性が示唆された。