2019 年 97 巻 p. 25-30
退院支援における医療ソーシャルワーカーの果たすべき役割は多岐に亘る。なかでも患者の真のニーズを把握し,患者の持てる力を引き出し,必要な支援を適切に行うことが求められる。本研究は継続研究であり,その目的は,妻への依存度が高い血液透析患者の退院支援における医療ソーシャルワーカーが果たすべき役割について考え,今後のよりよい支援へ繋げていくことであるが,特に患者の行動変容に向けての取り組みに着目した。 また,患者の希望する自宅退院を実現するために,妻への支援も実施した。即ち,本事例においては,そのソーシャルワークの展開過程において必要に応じて,患者に対し,心理社会的アプローチや行動主義アプローチを,妻に対してはナラティブアプローチ等を用いて支援を実施した。それらの結果,患者は希望した自宅退院へと至った。