糖尿病
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原著
日本人メタボリックシンドローム患者のインスリン抵抗性
―グルコースクランプ法を用いた検討―
勝木 顕住田 安弘末松 三奈村嶋 秀市松本 和隆北川 良子赤塚 元堀 恭子中谷 中矢野 裕足立 幸彦
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2005 年 48 巻 11 号 p. 771-775

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抄録
日本人メタボリックシンドローム症例のインスリン抵抗性をグルコースクランプ法[クランプ中の平均ブドウ糖注入率 (GIR)]を用いて検討し, 腹部CTにて評価した内臓脂肪蓄積との関連を検討することを目的とした. 対象は薬物療法を受けていないメタボリックシンドローム症例19名とした. メタボリックシンドロームの診断は診断基準に基き, 腹部CTにて評価した内臓脂肪断面積が100cm2以上に加え, 中性脂肪150mg/dl 以上, かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl 未満, 収縮期血圧130mmHg, かつ/または拡張期血圧85mmHg以上, 空腹時血糖値110mg/dl 以上のうち2項目以上の集積を満たすものとした. 対照として内臓脂肪蓄積, 高中性脂肪血症, 低HDLコレステロール血症, 血圧高値, 空腹時高血糖のいずれも持たない20名の正常者を選択した. メタボリックシンドローム群のGIRは正常者に比し有意に低下 (p<0.01) しており, 内臓脂肪断面積と有意な負の相関を示した (r=−0.565, p<0.02). 日本人メタボリックシンドローム患者では内臓脂肪過剰蓄積と増悪したインスリン抵抗性が関連していた.
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© 2005 一般社団法人 日本糖尿病学会
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