糖尿病
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原著
2型糖尿病患者に対する薬物療法開始薬剤としてのグリメピリド0.5 mg投与の有用性
浦風 雅春山崎 勝也薄井 勲岩田 実宇野 立人村上 史峰山本 由紀岸田 みか相川 秀彦川原 順子仙田 聡子石塚 健池本 雅仁沢崎 茂樹福居 和人高野 敦子山崎 夕堀 宏之和田 攻加村 裕五十嵐 保史佐藤 啓福島 泰男鷹田 美智代手丸 理恵大角 誠治赤川 直次加藤 弘巳小林 正
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2007 年 50 巻 12 号 p. 835-841

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抄録
現在,スルホニル尿素(SU)薬として汎用されているグリメピリドを0.5 mg/日から開始することの有用性は,ほとんど検討されていない.そこで本研究では,食事・運動療法のみで治療中の日本人2型糖尿病患者(HbA1c 6.5%以上8.0%未満)40例を対象に,グリメピリド0.5 mg/日から投与開始した場合の有効性と安全性について4カ月にわたり検討した.HbA1cは,投与直前7.2±0.4%(平均値±SD, 以下同じ)から1カ月後6.9±0.5%と,投与1カ月後から有意な改善が認められ,その改善は2カ月後以降も持続した.0.5 mg/日の固定症例33例における投与4カ月後のHbA1c 6.5%未満の達成率は54.5%であった.体重およびBMIには有意な変化は認められなかった.低血糖1例および低血糖様症状3例を認めたが,いずれも重篤なものではなかった.食事・運動療法では効果不十分な2型糖尿病患者に対するグリメピリド0.5 mg投与は,体重増加をきたすことなく,HbA1cを緩徐にかつ有意に改善でき,経口血糖降下薬による初期投与法として有用であることが示唆された.
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© 2007 一般社団法人 日本糖尿病学会
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