糖尿病
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症例報告
50歳頃から重症低血糖を頻回に認めている小児期発症1型糖尿病の3症例
大谷 敏嘉笠原 督内潟 安子岩本 安彦
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2007 年 50 巻 12 号 p. 865-871

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抄録

50歳頃から急に重症低血糖を頻回に起こし始めた44年以上の罹病歴を有する小児期発症1型糖尿病の3症例を報告する.症例1は53歳の女性.1959年11月(6歳)発症.2002年3月(48歳)から意識消失を伴う低血糖が頻回に出現.症例2も53歳の女性.1962年12月(9歳)発症.2002年6月(48歳)から意識消失を伴う低血糖が頻回に出現.症例3は52歳の女性.1959年9月(4歳)発症.2005年12月(51歳)から意識消失を伴う低血糖が頻回に出現.全症例とも更年期から低血糖が重症化してきた.症例2では更年期に加え自律神経障害の関与が考えられた.小児期発症1型糖尿病女性患者では更年期を迎える50歳頃から急にそれまでとは異なる重症低血糖を頻回に起こすようになることがあるので,治療にはより細やかな対応が必要である.

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© 2007 一般社団法人 日本糖尿病学会
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