糖尿病
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症例報告
36年間の2型糖尿病の治療中に抗GAD抗体が陽性化し1型糖尿病を発症した高齢糖尿病の1例
菅野 宙子丸山 聡子柳沢 慶香尾形 真規子武田 将伸中神 朋子石井 晶子内潟 安子岩本 安彦
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2008 年 51 巻 2 号 p. 117-120

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抄録

本症例は76歳の男性.39歳の時に肥満を有する2型糖尿病と診断され,長期間経口血糖降下薬で加療された.71歳で脳梗塞発症を機にインスリン治療を開始した.76歳までにケトーシス,糖尿病性ケトアシドーシス,重篤な感染症,膠原病,悪性腫瘍などの合併はなかった.しかしこの間に内因性インスリン分泌能が進行性に低下し,76歳で膵島関連自己抗体の陽転が判明した.1型糖尿病へ転じた,あるいは2型に1型糖尿病が加わったものと考えられる症例と診断した.

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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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