糖尿病
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症例報告
重症敗血症を呈し,腓腹筋化膿性筋炎が発見された2型糖尿病の1例
當時久保 正之相良 陽子赤澤 昭一
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2008 年 51 巻 3 号 p. 239-243

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抄録
症例は59歳女性,統合失調症加療中.発熱および両下肢の発赤,腫脹を生じ,当初深部静脈血栓症にて治療されたが,ショック状態となり救急搬送された.下肢静脈エコー検査において深部静脈血栓症は否定された.入院時,未治療糖尿病(血糖値478 mg/dl, HbA1c 12.9%)があり,重症敗血症として治療開始し,抗生剤投与によって一度は解熱し,下肢腫脹も改善した.しかし間欠熱および左下肢の腫脹が再度出現した.MRI施行したところ,左腓腹筋内に腫瘤影を認め,穿刺にてStaphylococcus aureus(以下S. aureus)が検出.腓腹筋膿瘍の診断を得たため,切開排膿行い治癒した.化膿性筋炎は診断が遅れると重症敗血症にまで進展し,死に至る場合もあり,注意を要する症例と考え,報告した.
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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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