糖尿病
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症例報告
肥満歴を有し,GAD抗体陰性かつIA-2抗体陽性が判明した緩徐進行1型糖尿病の1症例
三浦 順之助鄭 怜奈反町 衣里紗藤川 径子永尾 麻紀長谷 美智代治部袋 佐知代佐倉 宏内潟 安子岩本 安彦
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2008 年 51 巻 6 号 p. 507-511

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抄録

症例は38歳男性.著明な肥満歴を有し,2型糖尿病として経口血糖降下薬で加療されていたが,HbA1c 8.3%と血糖コントロール不良のため入院.Glucagon負荷試験でCPR前値0.8-(6分値)1.1 ng/mlと低下を認めた.ICAおよびGAD抗体陰性,IA-2抗体3.6 U/mlと陽性であり,緩徐進行1型糖尿病(SPT1DM)が疑われた.HLAはDR4, DR13を有していた.インスリン3回法を開始し,血糖コントロールは改善した.正常血糖高インスリンクランプでは,GIR 4.67 mg/kg/minと中等度インスリン感受性低下を認めた.退院後は0.3 U/kg/日程度のインスリン量でHbA1c 6%前後と良好であるが,1年後の血清CPR<0.2 ng/mlと著明に低下していた.肥満歴があり,GAD抗体陰性かつIA-2抗体陽性のSPT1DMは比較的稀であり,臨床的に示唆に富むと考えられたため報告する.

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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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