糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
原著
超速効型インスリンを用いた強化療法における夕食前グラルギン注射の血糖安定化作用
中山 ひとみ加藤 智子賀来 寛雄新関 史迎 徳範江口 洋幸田中 佳世原 健人満崎 健志中山 聡広田 有俊山田 研太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 1 号 p. 7-11

詳細
抄録

当科に入院した1型糖尿病61例,2型糖尿病116例を対象とし,超速効型インスリンを用いた強化療法におけるNPHインスリン就寝前注射とグラルギン夕食前注射の血糖安定化作用を,夜間血糖を含めて比較検討した.グラルギンとNPHの使用量には有意差がなく,超速効型インスリンの使用量にも両群で差がなかったが,2型糖尿病においてグラルギン群はNPH群より朝食後および夕食後血糖が有意に低値であった.1型糖尿病のNPH群は午前3時に高い低血糖リスクを示したがグラルギン群では低血糖リスクが顕著に抑制されていた.グラルギン夕食前注射は,NPH就寝前注射と同等のインスリン量で,より安全で安定した血糖コントロールを達成しうることが示された.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top