糖尿病
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原著
大分県北地域における糖尿病性末梢神経障害の実態
生山 祥一郎大庭 功一豊田 美夏西村 純二
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2009 年 52 巻 2 号 p. 85-92

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抄録

大分県北地域における糖尿病性末梢神経障害の実態を明らかにするために質問票調査を行い,36医療機関の980例より調査票を回収した.このうち自覚症状,アキレス腱反射,振動覚のすべてに記載のある673例(男性359例,女性307例,不明7例)を解析した.末梢神経障害に基づくと思われる足の症状(しびれ,痛み,異常感覚,こむらがえり)を認める患者は333例(49.5%)で,罹病年数が長いほど,また調査時のHbA1cが高いほど割合は増加した.VASで評価したしびれ・痛みの強さの自覚の程度は「最近出現した」ものに比べ,「以前からあった」もので有意に強かった.アキレス腱反射と振動覚の異常は各々47.8%と44.0%で認められ,アキレス腱反射異常の割合は罹病年数・HbA1cとともに増加する傾向を示した.「糖尿病性神経障害を考える会」の簡易診断基準で「神経障害あり」と診断される患者は300例(44.6%)を占めた.これは本診断基準を適用された国内の他の地域の調査成績とほぼ同等であった.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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