糖尿病合併症予防のために,糖尿病管理目標としてHbA
1c値<6.5%が推奨されている.目標達成には,患者自身がHbA
1c値を正しく自己評価し,行動変容する必要がある.本研究では患者自身のHbA
1c値の認識を調査し,相対的評価による自己評価の変化を調べた.当院に通院中の65歳以下2型糖尿病220名を対象に対面式アンケート調査を行った.患者はHbA
1c値を知っていたが,値に関係なく平均的コントロールと自己評価している者が多かった.HbA
1cヒストグラム提示により相対的評価を知った後のHbA
1c値自己評価は修正され,とくにコントロール不良群の認識が修正された.患者の疾患重要性認識は行動変容のための条件である.HbA
1cヒストグラムは自己管理の良否を相対的・視覚的に理解するのに役立ち,行動変容への動機付けに役立つ教育指導ツールとして利用できる可能性が示唆された.
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