糖尿病
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若年女性において飽和脂肪酸と野菜の1日摂取量はインスリン抵抗性と相関する
本田 まり伊達 ちぐさ呉 斌鈴木 一永福尾 恵介鹿住 敏
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2009 年 52 巻 4 号 p. 271-278

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抄録

18∼22歳の女性85人においてインスリン抵抗性(イ抵抗性)と食事因子の関連を検討した.イ抵抗性はHOMA-IRで,体組成はDXAで,食事調査は7日間の秤量食事記録で評価した.HOMA-IR 2.5以上(対象の14%)はHOMA-IR 1.6未満と比べて,エネルギー,炭水化物,脂質,飽和脂肪酸(SFA), 穀類の1日摂取量が多かった.体脂肪量,レプチン,PAI-1, アディポネクチンとすべての栄養素を説明変数とした多変量解析では,体脂肪量(β=0.0001), SFA摂取量(β=0.065), βカロテン当量(β=-0.0002)が独立してHOMA-IRと相関した.食品群で同様に解析すると体脂肪量(β=0.0001), 乳類(β=0.003), 野菜類(β=-0.003)がHOMA-IRの規定因子であった.若年女性におけるイ抵抗性低減のためにはSFA(乳類)の過剰に注意し,野菜類の摂取を推奨する必要性が示唆された.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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