糖尿病
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52 巻 , 4 号
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ミニレビュー
原著
  • 本田 まり, 伊達 ちぐさ, 呉 斌, 鈴木 一永, 福尾 恵介, 鹿住 敏
    2009 年 52 巻 4 号 p. 271-278
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    18∼22歳の女性85人においてインスリン抵抗性(イ抵抗性)と食事因子の関連を検討した.イ抵抗性はHOMA-IRで,体組成はDXAで,食事調査は7日間の秤量食事記録で評価した.HOMA-IR 2.5以上(対象の14%)はHOMA-IR 1.6未満と比べて,エネルギー,炭水化物,脂質,飽和脂肪酸(SFA), 穀類の1日摂取量が多かった.体脂肪量,レプチン,PAI-1, アディポネクチンとすべての栄養素を説明変数とした多変量解析では,体脂肪量(β=0.0001), SFA摂取量(β=0.065), βカロテン当量(β=-0.0002)が独立してHOMA-IRと相関した.食品群で同様に解析すると体脂肪量(β=0.0001), 乳類(β=0.003), 野菜類(β=-0.003)がHOMA-IRの規定因子であった.若年女性におけるイ抵抗性低減のためにはSFA(乳類)の過剰に注意し,野菜類の摂取を推奨する必要性が示唆された.
症例報告
  • 銭丸 康夫, 鈴木 仁弥, 木村 朋子, 今川 美智子, 藤井 美紀, 牧野 耕和, 若原 成行, 稲葉 聡, 高橋 貞夫, 此下 忠志, ...
    2009 年 52 巻 4 号 p. 279-283
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,女性.水疱性類天疱瘡のためステロイド剤内服中であった.2004年7月18日頃より食欲不振となり,同20日意識障害を認めたため救急車にて当院搬入となった.来院時の血糖値は23 mg/dlであったがIRIは14 μU/mlと高値で,ブドウ糖液の静注により意識は回復した.血清アミラーゼ値は1,278 IU/lと高値で,腹部CTにて膵頭部の腫脹を認めたため急性膵炎と診断され,入院となった.絶食,補液,蛋白分解酵素阻害剤などにて速やかに膵炎は改善したが,第3病日に随時血糖値が486 mg/dlと上昇し,尿中CPR 7.1 μg/日とインスリン分泌不全に陥った.HbA1c 7.4%, 抗GAD抗体陰性などから劇症1型糖尿病と診断した.その後強化インスリン療法により血糖コントロールを行い,第101病日に退院となった.超急性期に高インスリン血症と低血糖昏睡,膵腫大を伴う膵炎を呈した劇症1型糖尿病で,病因,病態を考察する上で貴重な症例と思われる.
  • 中村 緑佐, 本田 亘, 宮澤 里紗, 中村 文香, 深沢 陽平, 原田 夏樹, 中村 高秋
    2009 年 52 巻 4 号 p. 285-289
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は53歳,女性.高校生時に多毛,低身長および生理不順にて先天性副腎過形成(CYP21A2異常症)と診断され以後,ステロイドの内服治療が,また42歳時より2型糖尿病の診断のもとにメトホルミン1,000 mg(朝,夕)の内服治療が開始された.2008年4月下旬より骨粗鬆症による腰痛のためNSAIDs (loxoprofen sodium) 180 mg/日を数週間にわたり内服し,その後より悪心および頻回の嘔吐の症状が出現し,2日後に痙攣発作にて救急搬送となった.入院時JCS; III-200で血糖値23 mg/dl, pH; 6.955, Lac; 106 mg/dl, Cr; 6.97 mg/dl, BUN; 103.7 mg/dl, ACTH; 16.7 pg/ml, コルチゾール24.9 μg/dlで,重症低血糖,乳酸アシドーシスおよび急性腎不全を認めたが副腎不全は認めなかった.入院前より肝機能および腎機能は正常であり,入院時にもalanine aminotransferase (ALT)およびaspartate aminotransferase (AST)値はそれぞれ20, 12 IU/mlと正常で,飲酒の既往歴はなかった.血中乳酸値は輸液管理のみにて改善し第5病日にて正常に回復した.入院時より自然排尿を2,000 ml以上認め,第4病日より血中Cr, BUNは改善傾向を示し,輸液管理のみにて第7病日にCr; 0.64 mg/dl, BUN; 18.2 mg/dlと正常に回復した.本患者は,メトホルミンとloxoprofenの併用により腎機能が悪化し,メトホルミンを排泄できず体内に蓄積した結果,重症低血糖および乳酸アシドーシスを発症したものと考えられた.ステロイド剤を長期にわたり内服している2型糖尿病患者では,ビグアナイド剤使用時の併用薬剤にも注意を喚起する必要があると考えられた.
  • 橋本 健一, 柴田 敏朗, 熊田 瑛子, 坂野 敦子, 川嶋 修司, 和形 隆志, 棚橋 忍
    2009 年 52 巻 4 号 p. 291-294
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は53歳,女性.糖尿病性網膜症のため失明状態,糖尿病性腎症のため維持透析中であった.発熱と会陰部痛で外来受診し,フルニエ壊疽の診断で入院,広範なデブリドメントと抗生剤の投与を行って治癒した.女性に発症するフルニエ壊疽は稀であり,本邦での報告例も30数例で,基礎疾患に糖尿病をもつ女性例は18例にとどまる.膿の培養ではEnterococcus属が検出された.過去の報告例でも女性例での起炎菌はE. coliの検出頻度が最も高いが,Enterococcusを含めたグラム陽性球菌の関与も比較的多い事が推測され,抗生剤の選択において考慮する必要がある.
  • 永井 悦子, 勝野 朋幸, 紺屋 浩之, 小西 康輔, 中村 裕子, 美内 雅之, 片岡 政子, 浜口 朋也, 宮川 潤一郎, 難波 光義
    2009 年 52 巻 4 号 p. 295-300
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は44歳,女性.2007年2月に統合失調症に対し服用中のリスペリドンを3 mg/日に増量した頃より口渇が生じ,3月4日全身痙攣,血糖値2089 mg/dlにて,糖尿病性非ケトン性高浸透圧昏睡と診断した.同薬を中止し,インスリン加療を開始.治療経過良好にて,退院後は食事療法のみとなった.7月より妄想が出現しペロスピロンを開始した.12月にアリピプラゾール6 mg/日を追加したところ,5%台前半であったHbA1cが2008年1月25日受診時8.4%となった.外来でインスリン治療を再開するも血糖コントロールの改善なく,3月1日入院となった.当初,30単位/日のインスリンを要したが,アリピプラゾール中止後速やかに使用インスリン量が減少し,再び食事療法のみで血糖コントロール可能となった.米国精神医学会治療ガイドラインでは,アリピプラゾールは糖・脂質代謝異常を来たす危険性がない,あるいは治療域で稀にしか副作用が起きない薬剤とされているが,使用時には血糖測定をはじめ慎重な観察を行う必要がある.
  • 酒井 武則, 古川 慎哉, 三宅 映己, 上田 晃久, 小西 一郎, 横田 智行, 阿部 雅則, 日浅 陽一, 松浦 文三, 恩地 森一
    2009 年 52 巻 4 号 p. 301-303
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,女性.主訴は口渇.1995(平成7)年より高血圧,高脂血症で外来通院中.2002(平成14)年10月の健診でFPG 220 mg/dlを指摘され,精査目的で受診した.普段から毎朝4単位程度の果物を摂取していたが,加えてみかんを10個から15個程度連日摂取していた.外来受診時には空腹時血糖値が198 mg/dlであったが,尿中ケトン体は陽性で,ケトーシスを伴った2型糖尿病と診断した.果物の大量摂取がケトーシスを伴う糖尿病の原因となった報告は極めて少ない.みかんはショ糖が多いことや水分の含有量が多いなどの特徴があるため,ソフトドリンクケトーシスと類似した機序でケトーシスを呈したものと考えられる.果物過剰摂取によって発症したケトーシスを合併した2型糖尿病の特徴を明らかにすることは非常に重要であると考えて報告する.
  • 小島 史子, 雫 淳一, 柿沼 多恵子, 上田 美緒, 田中 好子, 秋葉 隆, 新田 孝作
    2009 年 52 巻 4 号 p. 305-309
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    ミトコンドリア糖尿病(maternally inherited diabetes and deafness: MIDD)では一般に細小血管障害の合併頻度が高いことが知られているが,大血管障害の合併頻度については明らかにされていない.
    今回,われわれはMIDD透析患者で透析歴9年,糖尿病歴24年と長期にわたる血糖コントロール不良にもかかわらず,全身の動脈硬化性変化が軽微であった症例を経験したので報告する.症例は56歳,男性.32歳で糖尿病と診断され,48歳で血液透析を導入.この時にMIDDと診断された.2007年,脳卒中様発作(stroke-like episodes)を発症したが,頭部MR angiography上,脳動脈に明らかな狭窄,閉塞は見られず,脳動脈支配と無関係な領域に脳組織障害像を呈していた.脳動脈硬化所見が乏しかったことより,全身の大血管の動脈硬化度について検査を行った.その結果,下肢動脈に狭窄を認めるのみで,その他,脳動脈,冠動脈,腹部大動脈の石灰化,狭窄はみられなかった.
コメディカルコーナー・原著
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