糖尿病
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原著
インスリン治療中の2型糖尿病患者の一般内科における年間外来直接医療費の検討
—70歳前後の比較—
河原 利夫焼田 朝子橋本 美幸西尾 和子谷山 徹中村 明夫塩谷 正美板井 順子石倉 和秀栗田 征一郎松下 栄紀
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2009 年 52 巻 6 号 p. 437-442

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抄録

【序論】インスリン治療患者の一般内科における年間外来直接医療費の検討を行った.【対象と方法】2007年1∼12月まで安定して通院していた2型糖尿病患者58名(男性32名,女性26名)の医療費を10割負担として計算し,70歳未満(A群31名)と70歳以上(B群27名)の2群で検討した.【結果】医療費総額は505,274.5±164,591.7円で,再診料は全体の2.1%, 指導管理料30.5%, インスリン料14.9%, 投薬料37.3%, 検査料15.2%であった.A群と比較してB群でインスリン料は低かったが(p<0.01), 医療費総額は2群間で差がなかった(p=0.57). B群では1日あたりのインスリン使用量が少なかったが(p<0.01), 2群間でHbA1c値に差はなかった(p=0.25). 【結語】70歳以上ではインスリン料は低く,病状が安定した患者では非高齢者より高齢者で必ずしも医療費が上がるわけではない.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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