糖尿病
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52 巻 , 6 号
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特集 インクレチンをめぐる新知見
原著
  • 河原 利夫, 焼田 朝子, 橋本 美幸, 西尾 和子, 谷山 徹, 中村 明夫, 塩谷 正美, 板井 順子, 石倉 和秀, 栗田 征一郎, ...
    2009 年 52 巻 6 号 p. 437-442
    発行日: 2009/06/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    【序論】インスリン治療患者の一般内科における年間外来直接医療費の検討を行った.【対象と方法】2007年1∼12月まで安定して通院していた2型糖尿病患者58名(男性32名,女性26名)の医療費を10割負担として計算し,70歳未満(A群31名)と70歳以上(B群27名)の2群で検討した.【結果】医療費総額は505,274.5±164,591.7円で,再診料は全体の2.1%, 指導管理料30.5%, インスリン料14.9%, 投薬料37.3%, 検査料15.2%であった.A群と比較してB群でインスリン料は低かったが(p<0.01), 医療費総額は2群間で差がなかった(p=0.57). B群では1日あたりのインスリン使用量が少なかったが(p<0.01), 2群間でHbA1c値に差はなかった(p=0.25). 【結語】70歳以上ではインスリン料は低く,病状が安定した患者では非高齢者より高齢者で必ずしも医療費が上がるわけではない.
  • 藤林 和俊, 林 道夫, 郡司 俊秋, 田中 直彦, 奥村 光絵, 佐々部 典子, 升田 紫, 仁科 祐子, 浦部 晶夫
    2009 年 52 巻 6 号 p. 443-448
    発行日: 2009/06/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    【目的】境界型移行の危険因子を検討する.【方法と対象】過去10年間に3年以上の間隔で,75 g経口ブドウ糖負荷試験(75 g OGTT)を2回以上施行した全男性を対象にした.75 g OGTTの判定は日本糖尿病学会基準に基づき,当初から境界型・糖尿病型の例や途中で糖尿病型に移行した例は除外した.正常型を維持した例をNGT群とし,正常型から境界型に移行した例を75 g OGTT時の血糖値でIFG群・60 IGT群・IGT群・IFG+ IGT群に分類して検討を行い,各群の境界型移行の危険因子を検討した.最後に境界型に移行した全例を「全境界型群」として同様の検討を行った.【結果】インスリン感受性悪化と観察開始時の75 g OGTT後60分血糖の上昇は,各群で境界型移行の共通した危険因子であった.【考察】負荷後60分血糖の上昇を認めている例は,境界型へ移行する危険性が高く,特に注意すべき例だと考えられた.
症例報告
  • 谷口 潤, 粂川 真里, 旭 暢照, 佐藤 知也, 大野 敦, 植木 彬夫, 小田原 雅人
    2009 年 52 巻 6 号 p. 449-455
    発行日: 2009/06/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は28歳,女性.職業は看護師.仕事中に発汗,動悸,手指振戦出現.血糖自己測定器にて,低血糖を認めたため菓子,ジュースにて対応していたが,低血糖発作が頻発するため受診となる.血糖値59 mg/dl, IRI 4,600 μU/mlと,著明な高インスリン血症を認めたため入院となる.インスリン注射歴はなく,インスリン抗体97%, Scatchard解析にてhigh-affinity siteのk値は0.12 (108 l/mol), b値は,21.8 (10-8 mol/l)であった.以上より,インスリン自己免疫症候群と診断した.低血糖発作は,食後3時間と夜間中心に頻発し,分割食,αグルコシダーゼ阻害薬にて改善した.経過とともに低血糖の頻度は低下し,IRI, インスリン抗体も自然寛解傾向を認めた.本症例はインスリン受容体抗体も陽性を呈したが,これは著明な高インスリン抗体血症による偽陽性が疑われた.自己免疫疾患の背景もなく,SH基を有する薬剤内服歴もない,著明な高インスリン血症を呈するインスリン自己免疫症候群を経験したので報告する.
  • 本多 敏朗, 斉藤 拓志, 藤原 豊
    2009 年 52 巻 6 号 p. 457-462
    発行日: 2009/06/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,男性.健康診断を受けたことがなく,糖尿病は長期間放置状態であった.発熱,全身倦怠感を主訴に2007年3月末に入院した.随時血糖592 mg/dl, HbA1c 12.0%, 体温38.6°C, 白血球15,900/μl, CRP 28.4 mg/dl, 胸部CT検査では胸水と空洞を伴った多発結節影を両側に認めた.腹部CT検査では前立腺膿瘍を認め,血液,喀痰,前立腺膿瘍の穿刺液の培養にて,それぞれStaphylococcus aureusが同定された.そのため尿路感染を契機とした前立腺膿瘍が塞栓源となり,敗血症性肺塞栓症を発症したと診断した.血糖コントロールと抗生物質投与,前立腺膿瘍ドレナージ,経皮的膀胱瘻造設により発熱,炎症所見,前立腺膿瘍,敗血症性肺塞栓症は改善した.本症例は健康診断を受けず糖尿病の存在に気づいていなかったことが一番の問題点であり,糖尿病の早期発見の重要性を再認識した症例である.
  • 岡澤 光代, 岩田 実, 瀧川 章子, 小橋 親晃, 宇野 立人, 石木 学, 薄井 勲, 山崎 勝也, 浦風 雅春, 戸辺 一之
    2009 年 52 巻 6 号 p. 463-467
    発行日: 2009/06/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,女性.1989(平成元)年(45歳時)に糖尿病を指摘され,1991(平成3)年(47歳時)には感音性難聴を発症した.2006(平成18)年(62歳時),血糖コントロールを目的にて当科に紹介され入院した.肥満歴はなく低身長で痩せ型(BMI 18.8 kg/m2), インスリン分泌能の低下,難聴などの臨床像からミトコンドリア糖尿病を疑い遺伝子解析を行った.ミトコンドリア遺伝子異常(3243 A→G点変異)を認め,ミトコンドリア糖尿病と診断した.食事療法,インスリン療法とともにcoenzyme Q10 (CoQ10)大量療法を開始した.2008(平成20)年(64歳時)に施行した聴力検査において感音性難聴の改善を認め,またインスリン分泌能も保持されていた.ミトコンドリア糖尿病に対するCoQ10大量療法は,試みられるべき有用な治療法の1つと考えられた.
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