糖尿病
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症例報告
超速効型インスリン使用後にインスリン抗体を産生し血糖変動がはげしくなった2型糖尿病の1例
田中 秀樹内潟 安子藤岡 三鈴橋本 紀子小池 雄太伊藤 俊鈴木 奈津子大森 安恵
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2009 年 52 巻 7 号 p. 561-567

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抄録
インスリンアナログ製剤使用後にインスリン抗体が産生された症例において,インスリン製剤との特異性ならびにScatchard解析によってその質的評価を検討した.症例は,75歳男性.2004(平成16)年5月より超速効型インスリンアナログ製剤使用後に低血糖とともに血糖変動が大きくなり,インスリン抗体の存在が明らかとなった.抗体の大半はインスリンアスパルトとヒトインスリンの両者に交差反応する抗体であった.インスリン自己免疫症候群で認めるインスリン自己抗体と類似した抗体であり,異常な頻回の低血糖は,インスリンアナログ製剤使用後に産生されたインスリン抗体から遊離される遊離インスリン増加に起因すると推測された.
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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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