抄録
症例は57歳,女性.30歳頃より1型糖尿病の診断で加療されていたが,コントロール不良であった.平成20年1月,左下肢に熱傷による多発潰瘍を伴う蜂窩織炎を発症し入院となる.意識清明,体温38.8°C,血圧126/66 mmHg,WBC 17800 /μl,CRP 22.4 mg/dl,血糖580 mg/dl,尿ケトン(+).血液培養で黄色ブドウ球菌を検出した.輸液·抗生剤·インスリンを投与し,加療に伴い解熱し,炎症反応も改善していたが,第7病日に腹痛·少量の吐血あり.上部消化管内視鏡検査では,胃から十二指腸にかけて壁の伸展障害を伴う高度な粘膜障害·出血·浮腫·水疱あり,生検部位から膿汁の流出を認めた.腹部CTでは胃·十二指腸の壁の肥厚を認めた.胃·十二指腸蜂窩織炎と診断,絶食とし,抗生剤の投与等の保存的治療で速やかに軽快した.