糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
症例報告
乳癌術後化学療法中に発症した劇症1型糖尿病の1例
柳瀬 恒明中村 佳子安井 俊行柿本 應貴柳瀬 治
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 53 巻 2 号 p. 107-111

詳細
抄録

症例は49歳女性.乳癌術後化学療法の通院経過中に発熱を来たし,その後に嘔気·嘔吐·頭痛が出現したため来院.血糖値565 mg/dl,尿ケトン体2+,動脈血ガス分析ではpH 7.278であり糖尿病性ケトアシドーシスと診断され即日入院した.HbA1c 5.9%,血清·尿中CPR低値,エラスターゼ1上昇,膵島関連自己抗体は陰性であり,劇症1型糖尿病と診断した.インターフェロン以外の抗悪性腫瘍薬の使用中に劇症1型糖尿病を発症したという症例報告はなされておらず,今回その成因を考える上で大変興味深い症例と考えたため報告する.

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top