糖尿病
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症例報告
低血糖脳症後に食行動異常が自制困難となった1型糖尿病の1例
熊田 瑛子柴田 敏朗橋本 健一坂野 敦子川嶋 修司棚橋 忍
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2010 年 53 巻 3 号 p. 169-173

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抄録

症例は19歳女性.8歳で1型糖尿病を発症,小学生の頃から過食,自己誘発性嘔吐,インスリンの自己調節を行い,低血糖発作を繰り返していた.2007年9月11日13時に健在を確認された後,19時に昏睡状態で発見された.血糖値33 mg/dlでグルカゴン注射により血糖は上昇したが意識が改善せず入院となった.入院後も低血糖が遷延し,第2病日の頭部MRI拡散強調画像及びT2強調画像で両側尾状核頭,被殻,淡蒼球に高信号域を認め,低血糖脳症と診断した.意識改善したのち第22病日の検査においても高信号域は残存していた.低血糖脳症のMRI所見には色々な報告があり,一定していない.本例においては,意識障害は改善したが後遺症として著しい過食と暴言,暴力などの問題行動が自制困難となった.

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© 2010 一般社団法人 日本糖尿病学会
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