糖尿病
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原著
テストミールA負荷後のアポ蛋白B48増加面積はトリグリセリドと独立してsmall dense LDLを増加させる
森 雄作山本 剛史徳野 杏奈平野 勉
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2010 年 53 巻 8 号 p. 593-600

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抄録
糖尿病では食後高脂血症とsmall dense LDL(sdLDL)の増加が特徴的であるが,この両者間の関係は未だ明らかではない.我々はアポ蛋白B48(B48)を食後高脂血症のマーカーとしてsdLDLとの関係を調べた.正常耐糖能17名と2型糖尿病27名にテストミールAを負荷し,前後1,2,4,6時間でB48,トリグリセリド(TG)を測定し,増加面積incremental area under the curve(iAUC)を求めた.糖尿病ではB48,B48 iAUC,TG,sdLDL-コレステロール(C)が有意に高値,リポタンパクリパーゼが低値であった.sdLDL-CはB48 iAUC,TG,TG iAUCと単相関したが,重回帰ではB48 iAUCとTGのみが有意な独立変数であった.本研究から食後高脂血症が高TG血症と独立してsdLDL増加の原因となることが示唆された.
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© 2010 一般社団法人 日本糖尿病学会
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