糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物治療)
二相性インスリンアナログ製剤(30Mix)と昼食直前α-グルコシダーゼ阻害薬併用の有用性の検討
黒木 康雄池野 真子大上 貴士竹下 光前田 彰宏
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2011 年 54 巻 12 号 p. 888-893

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抄録
二相性インスリンアナログ製剤(30Mix)を朝・夕2回投与している教育入院中の2型糖尿病患者を対象に,α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)併用の有無で一日血糖測定値の変動を比較した.二相性インスリンアナログ製剤(30Mix)朝・夕2回投与の患者では昼食後血糖が高値を示したが,昼食直前にα-GIを併用した患者では昼食後の血糖値も朝,夕食後と同様に良好であった.入院中新規にα-GIを併用した17名では,昼食後血糖値266.8±35.5 mg/dl(SD)が,昼食直前α-GI併用により173.6±39.3 mg/dlまで有意に低下した(p<0.0001).また,外来で新規に昼食直前にα-GIを併用した16名では,追加前HbA1c 7.42±0.7 %(JDS値)が,1ヵ月後HbA1c 7.13±0.7 %と有意な改善を認め(p<0.01),6ヵ月後もHbA1c 7.10±0.7 %と効果が持続した.二相性インスリンアナログ製剤(30Mix)朝・夕2回投与への昼食直前α-GIの併用は食後血糖値の管理に有用であり,かつ長期血糖管理においても有効な治療選択肢の一つとなりうることが示唆された.
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© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
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