糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
原著
経口血糖降下薬による低血糖性昏睡で入院加療を要した27症例の検討
長山 浩士柿沢 圭亮大川 雄太森田 浩沖 隆中村 浩淑
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 54 巻 4 号 p. 271-276

詳細
抄録
2007年4月から2010年3月まで3年間に経口血糖降下薬による低血糖性昏睡で入院加療を要した27名を検討した.平均年齢は79.4±9.4歳と高齢で,HbA1cは平均6.1±0.8%と低値であった.27名中26名でスルフォニルウレア薬(以下SU薬)が使用されており,その内グリメピリドが16例と最も多く,ついでグリベンクラミドが8名,その他SU薬が2名であった.診療を受けている医師は糖尿病専門医が5名で,残りの22名は専門医以外の診療を受けていた.また低血糖を起こした際の体調に,食事摂取不良や嘔吐,下痢などの症状をみたものが19名(71%)と多かった.高齢者にSU薬を投与する場合,低血糖に注意しながら,シックデイの教育が必要であると考えるが,かかりつけ医による診療を受けていることが多く,広く糖尿病診療・教育の啓蒙が必要である.
著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top