糖尿病
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症例報告
インスリン抵抗性改善薬を中止しGLP-1アナログ製剤導入後インスリン抵抗性指標の増悪を認めた2型糖尿病の1例
岡本 香弥坊内 良太郎花井 豪柳澤 慶香内潟 安子
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2012 年 55 巻 11 号 p. 886-890

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抄録
症例は54歳女性.1997年(37歳),2型糖尿病と診断され,メトホルミンを開始.2006年(47歳),グリメピリドの併用を開始され,2010年(53歳)にさらにピオグリタゾンを併用し,同年12月にはグリメピリド3 mg,メトホルミン750 mg,ピオグリタゾン15 mg内服にてもBMI 30.4 kg/m2, HbA1c 12.1 %であり,2011年(54歳)1月当科入院.入院後,メトホルミン,ピオグリタゾンを中止し,リラグルチドを導入.リラグルチド0.9 mg投与後,低血糖を認めたためグリメピリドを2 mgに減量し退院.血糖,インスリン分泌能,体重は改善したが,インスリン抵抗性指標は悪化した.インスリン抵抗性改善薬を中止してリラグルチドを投与してもインスリン抵抗性指標が悪化する肥満の強い2型糖尿症例もあるため,その適応は慎重に判断し,厳重に経過観察する必要があると考えられた.
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© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
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