糖尿病
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症例報告
不顕性溶血のためにHbA1cが低値を示した2例
中村 裕子岡野 理江子稲田 慎也上田 晋一郎亀山 智子鈴木 俊伸陳 瑛超谷川 和子末盛 晋一郎和田 秀穂橋本 久仁彦古賀 正史
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2015 年 58 巻 2 号 p. 128-135

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抄録

我々は不顕性溶血のためにHbA1cが低値を示した2例を経験した.1例は非糖尿病,他の1例は糖尿病合併例であったが,2例ともグリコアルブミンとHbA1cの比は著明高値であった.また,2例ともHPLC法および免疫法で測定したHbA1c値が一致したために異常ヘモグロビンは否定された.2例ともに貧血を認めなかったが,ハプトグロビンの低値,網状赤血球の高値を認めた.また,末梢血の塗末標本および走査電顕にて赤血球の形態異常(1例は楕円赤血球,他の1例は球状赤血球)を認めた.以上の結果より2例のHbA1c低値の原因は楕円赤血球症あるいは球状赤血球症に基づく不顕性溶血と考えられた.不顕性溶血はHbA1cが見かけ上低値を示す疾患として念頭に置くべき疾患である.

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© 2015 一般社団法人 日本糖尿病学会
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