糖尿病
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症例報告
Lactobacillus属による腎盂腎炎から菌血症をきたした妊娠合併2型糖尿病の1例
永嶌 智子比嘉 眞理子上田 絢美山下 馨一城 貴政弘世 貴久
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2018 年 61 巻 12 号 p. 827-832

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抄録

41歳,女性.X年5月に腰痛,発熱が出現し解熱鎮痛剤を内服したが改善せず当院受診.来院時,CRP 22.99 mg/dL,WBC 17630/μL,血糖249 mg/dL,HbA1c 10.6 %,尿検査で細菌尿を検出,妊娠反応陽性だった.腹部超音波検査にて右腎盂に結石と腎盂腎杯の拡張を認め腎後性腎盂腎炎,2型糖尿病と診断し抗菌薬点滴と補液,持続静脈インスリン注入を開始し尿路閉塞に対し経尿道的尿管ステントを留置した.入院時の血液培養と腎盂尿培養からLactobacillus属が検出された.第5病日に炎症反応の改善を認め,第22病日に退院した.非病原菌であるLactobacillusは膣内の常在菌であり感染症の起因菌となることは稀である.本症例では高血糖による免疫能低下や妊娠による細菌叢の変化がLactobacillus属による腎盂腎炎を惹起した可能性が示唆された.

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© 2018 一般社団法人 日本糖尿病学会
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