2019 年 62 巻 1 号 p. 1-8
現在患者一人一人に合わせた血糖コントロール目標の設定が推奨されているが,これまで患者自身の血糖コントロールに対する満足度についての検討は少ない.今回我々は糖尿病患者に無記名式のアンケートを行い,血糖コントロール満足度とそれに関わる因子を検討した.血糖コントロールに対する満足度は「とても不満足」から「とても満足」までの5段階で回答を依頼した.2型糖尿病患者254名,1型糖尿病患者22名より回答が得られ,28 %の患者が血糖コントロールに「満足」と回答し,18 %が「不満足」と回答した.血糖コントロール満足度はHbA1c値,食事療法の実践度,医師・外来診療・医療費への満足度,治療中断意思および糖尿病治療満足度(DTSQ)と関連した.血糖コントロールに対する満足度は重要なpatient-reported outcome指標と考えられ,食事療法の自己効力感や患者―医療者関係が関わる可能性が示唆された.