糖尿病
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症例報告
メトホルミンの添加物による固定薬疹の1例
外川 菜々子大澤 彩恵子加藤 敦子吉内 和富
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2019 年 62 巻 12 号 p. 763-768

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抄録

46歳男性,BMI 39.4 kg/m2,罹病歴16年の2型糖尿病でインスリン及びエクメット配合錠HDで加療されていた.以前メトホルミンで左下腿,背部に皮疹が出現したとの申告があったが,エクメット配合錠HDでは皮疹は認めていなかった.喘息発作のため当院呼吸器内科入院となり,血糖管理目的に当科併診となった.エクメット配合錠からリラグルチド及びメトホルミン塩酸塩錠TEに切り替えたところ,変更後10日目にメトホルミンでの薬疹出現部位と同じ場所に皮疹が出現し,固定薬疹の診断となった.エクメット配合錠HDとメトホルミン塩酸塩錠TEの相違点を考慮すると,薬剤の有効成分ではなく,添加物によるアレルギーが疑われた.該当添加物を含まないメトホルミン後発医薬品では薬疹を認めなかった.薬剤アレルギーの原因として添加物による可能性もあると認識することが重要と考えられた症例を経験したので報告する.

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© 2019 一般社団法人 日本糖尿病学会
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