2019 年 62 巻 12 号 p. 769-773
症例は58歳男性.木村氏病にてステロイド服用中.約1年前より肺腺癌術後再発のため化学療法を行っていた.X年11月に発熱,呼吸苦を主訴に受診し,ニューモシスチス肺炎の診断で入院となった.ステロイドの増量とST合剤内服を開始したが,発熱,皮疹が出現し,ST合剤を中止し,第10病日よりペンタミジン200 mg/日の点滴へ変更した.症状は軽快したが,第17病日早朝に低血糖を認めたため,ペンタミジンの副作用を疑い,薬剤を中止し,持続血糖モニターの装着を行った.深夜から早朝にかけて低血糖に対し,夜間のみ持続的にブドウ糖投与を行い,第27病日には低血糖は消失した.ペンタミジンは時に低血糖を来すことが知られているが,血糖管理に関する報告は少ない.今回我々はペンタミジンによる夜間低血糖の管理に持続血糖モニタリングが有用であった1例を経験したので報告する.