糖尿病
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症例報告
連続皮下ブドウ糖濃度測定により治療効果を評価したB型インスリン抵抗症の1例
鈴木 智子三浦 順之助片峰 亜季髙木 聡小野 利夫入村 泉大屋 純子花井 豪川口 鎮司針谷 正祥馬場園 哲也
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2020 年 63 巻 9 号 p. 618-625

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抄録

症例は55歳男性.高血糖,高インスリン血症,抗インスリン受容体抗体(anti-IRAb)・抗U1-RNP抗体陽性および身体所見よりB型インスリン抵抗症と全身性強皮症の合併例と診断した.α-グルコシダーゼ阻害薬やglucagon-like peptide 1受容体作動薬によっても血糖コントロールは改善せずプレドニゾロンおよびシクロスポリンによる免疫抑制療法を開始した.15日頃より血清IgG値が,20日頃より空腹時血糖値(FBG)が低下,32日頃よりanti-IRAb阻害率が減少し日内平均糖濃度が低下,41日頃にanti-IRAbは陰転化した.連続皮下ブドウ糖濃度測定(CGM)では当初FBGと朝食後血糖値の低下および午前0~8時の著明な血糖変動がみられたが免疫抑制療法開始後血糖日内変動幅の縮小を認めた.CGMによる治療早期からの糖濃度日内変動の観察は本症例における迅速な治療効果判定に有用であった.

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© 2020 一般社団法人 日本糖尿病学会
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