糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
2型糖尿病患者における野菜の摂取順序が食後血糖値に及ぼす影響―複合料理を用いて―
川本 剛野島 秀樹横山 しつよ栢下 淳
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2021 年 64 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

2型糖尿病患者を対象に,無作為クロスオーバー試験により,野菜を複合料理の前に摂取した場合,複合料理の後に摂取した場合,及び複合料理を単独摂取した場合における食後の間質液グルコース値への影響についてFGMを用いて検討した.その結果,複合料理の摂取前に野菜を摂取した場合は,複合料理の摂取後に野菜を摂取した場合と比べ,食後の間質液グルコース値の変化量は,摂取開始後40~90分とIAUC 0-60min,IAUC 0-90min,IAUC 0-120minで有意に低く,また,複合料理を単独摂取した場合と比べ,摂取開始後40分,55~70分,IAUC 0-90minで有意に低かった.一方,複合料理の摂取後に野菜を摂取した場合と複合料理を単独摂取した場合で差を認めなかった.以上より,2型糖尿病患者が複合料理を摂取する際,複合料理の前に野菜を摂取することは食後血糖値の上昇を抑制させることが示された.

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© 2021 一般社団法人 日本糖尿病学会
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