2021 年 64 巻 6 号 p. 341-349
2型糖尿病の治療において,スマートフォンアプリ「Welbyマイカルテ」(マイカルテ)の健康情報記録(PHR)を活用して,HbA1cと体重の低下効果を検討した.2型糖尿病患者のうち3ヵ月以上マイカルテを利用した74例(男性65例,女性9例)を対象とし,マイカルテ利用開始から6ヵ月間のHbA1c,体重および血圧をベースライン値と比較した.さらにマイカルテ利用頻度別(15回/月以上または未満)に層別化して効果を比較検討した.74例のうち20例は観察期間中に治療方法が変更された.全例においてHbA1cは7.1 %から6.9 %へと有意に改善した.高利用群では7.1 %から6.7 %へと高い改善率を示したが,低利用群では有意な変化は認められなかった.体重と血圧で低下傾向がみられた.PHRの活用により生活習慣改善に対するコンプライアンスが向上し,HbA1cが改善することが示唆された.