糖尿病
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症例報告
急性膵炎と特発性食道破裂を合併した糖尿病ケトアシドーシスの1例
田中 奈那原 久美子小牧 佳世佐久間 博也
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2023 年 66 巻 7 号 p. 532-537

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抄録

症例は29歳男性.25歳時に2型糖尿病,脂質異常症,肥満症と診断され,治療を開始したが,仕事の忙しさを理由に自己中断を繰り返していた.外食中心の食生活を送り,清涼飲料水を約1.5 L/日摂取していた.受診4日前からの倦怠感,前日からの嘔吐を主訴に近医を受診し,意識障害,高血糖を指摘され,当院へ救急搬送された.随時血糖値1243 mg/dL,尿中ケトン体陽性,β-ヒドロキシ酪酸13144 μmol/L,代謝性アシドーシスを認め,糖尿病ケトアシドーシスの診断で当科へ入院となった.急性膵炎と特発性食道破裂を合併しており,大量輸液,インスリン持続静注に加え,抗菌薬,プロトンポンプ阻害薬の投与などの保存的治療を行い,良好な経過が得られた.糖尿病ケトアシドーシスに急性膵炎と特発性食道破裂を合併した稀な1例を経験したので報告する.

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© 2023 一般社団法人 日本糖尿病学会
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