糖尿病
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症例報告
新たなヘモグロビン修飾機序によりHbA1cが偽高値を示したと考えられる1例
大江 宣春奥下 由紀子古賀 正史
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2023 年 66 巻 7 号 p. 538-544

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抄録

我々はHbA1cが偽高値を示した症例を経験し,新規のヘモグロビン修飾機序がその原因と考えられた.症例は72歳男性.高速液体クロマトグラフィ法(HA-8180,アークレイ社)で測定したHbA1cが7.9 %と高値のため,当科を受診した.空腹時血糖は基準値であったが,75 g経口ブドウ糖負荷試験で糖尿病型を示した.生活習慣改善の指導および抗糖尿病薬の投与を行うもHbA1cは殆ど低下しなかった.経過中に受けた健康診断でHbA1c(酵素法)が5.2 %であったため,抗糖尿病薬を中止し,精査を行った.酵素法,免疫法およびアフィニティ法で測定したHbA1c,グリコアルブミンおよび1,5-アンヒドログルシトールは全て基準値であった.全てのグロビン遺伝子に変異を認めなかったため異常ヘモグロビン症は否定された.本例のHPLC法で測定したHbA1cの高値は新規のヘモグロビン修飾機序によるものと考えられた.

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© 2023 一般社団法人 日本糖尿病学会
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