糖尿病
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Oxyhyperglycemiaの病態に関する研究
伊藤 千賀子野間 興二内藤 泰雄野島 直樹川手 亮三
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1974 年 17 巻 3 号 p. 200-206

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抄録
oxyhyperglycemiaと糖尿病の関係を検討する目的で, 50g OGTTでoxyhyperglycemiaを呈したもののうち, 胃切除歴・肝機能異常・内分泌疾患がなく, 3~9年にわたって経年観察を行なった70例と, 1~8年にわたって経年観察を行なった胃切除者25例について, GTTの経年成積・血中NEFA・IRI値を比較検討した.非胃切除者では経年期間が長くなるにつれて糖尿病型へ移行するものが多い傾向にあり, 1~2年後には4.2%, 3~4年後には24.6%, 5~6年後には20.3%, 7~9年後には40.0%が糖尿病型へ移行しており, とくに肥満者では45.5%が経年後糖尿病型へ移行していた.またoxyhyperglycemia 73例のIRI 30分値は41.5±3.9μU/mlで正常者の48.1±3.9, μU/mlよりもむしろ低く, IRI/BS 30分値は0.28±0.03で正常者の0.55±0.05に比して有意に低値を示していた.一方, 胃切除者のoxyhyperglycemia例では, 経年後糖尿病型へ移行したものは1例もなく, 血中IRI 30分値は86.8±15.4μU/mlと高反応を呈し, μIRI/BS 30分値は0.62±0.11で, 正常者の値と近似していた.糖負荷後の血中NEFA値は胃切除者と非胃切除者の間に有意の差はみられなかった.
以上の成積より, 胃切除後のoxyhyperglycemiaと, 非胃切除者のoxyhyperglycemiaとの病態は明らかに異なったものであり, 胃切除者のoxyhyperglycemiaは早期糖尿病とは余り関係がないが, 非胃切除者のoxyhyperglycemiaの中には早期糖尿病が高率に含まれていると考えられた.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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