糖尿病
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学童の糖尿病集団検診
千葉県勝浦市, 夷隅郡における集団検尿成績より
野尻 雅美
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1974 年 17 巻 6 号 p. 496-501

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抄録

千葉県勝浦市, 夷隅郡において1973年6月6日に実施した学童の集団検尿の受診者は, 小学生7,900名, 中学生4,829名, 高校生1,451名であった.尿糖陽性者は各々25名, 34名, 29名であった.尿糖陽性者出現率は, 食前採尿群では小学生0.30%, 中学生0.46%, 高校生0.89%で, 食後採尿群では各々0.36%, 134%, 4.52%であり, 年齢と共に増加する傾向があり, 特に食後採尿群で著明であった.尿糖陽性者88名中の74名に体表面積1m2当たり40gGTTを施行した.正常型56名 (そのうちGTT時尿糖陽性者14名), 境界型18名, 糖尿病型なし, であった.また尿糖陽性者でGTT未受診の14名のうち1名 (小5, 女) は, 前年度の集団検尿にて糖尿病と診断され現在インスリン治療中であり, 他の1名 (小5, 女) は腎性糖尿で近医で管理中のため二次検査は省略した.尿糖陽性者の血糖曲線を, 同時に行った14名の正常小学生の血糖曲線と比べると, 糖負荷後2および3時間値が低くなる傾向にあった.

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