糖尿病
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インスリン低反応を示す非糖尿病者におけるGlibenclamide Glucose Tolerance Test
進藤 俊彦武井 宏夫
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1975 年 18 巻 5 号 p. 493-498

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抄録

糖に対するインスリン低反応は糖尿病に特徴的とされている.しかし二次性糖尿病者などでも低反応を示すものがある.このようなインスリン低反応者がいかなる意味を持つかを知るために, 健常者, 糖尿病者, 境界型者, 二次性糖尿病者46例に50gGTT (GTT) と, グリベンクラミド併用50gGTT (G1-GTT) を実施し, 41RI/JBS, ΣBS, ΣIRIについて検討し, Gl-GTTが非糖尿病インスリン低反応の鑑別に有用であるとの成績を得た。41RI/JBSは糖尿病群ではGTT, Gl-GTTでともに0.4以下 (1例の例外あり), 二次性糖尿病では, GTTで0.4以下のものは17例中6例だが, これらはGI-GTTでは0.8以上に上昇した.この6例についてGTTのΣBS, ΣIRIをみると5例は糖尿病群と区別不可能であったが, Gl-GTTではΣIRIの増加を認め, 糖尿病群と明らかに異なった反応を示した.境界型7例では, GTTのインスリン低反応者もGl-GTTではむしろ二次性糖尿病者に近いインスリン反応を示した.
以上の成績から, GTTにおけるインスリン低反応者には, 糖尿病だけでなく二次性糖尿病者, 境界型者も含まれ, 後二者のインスリン低反応は, G1-GTTで改善されると考えられるとの結論を得た.

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