糖尿病
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小児糖尿病患者の血縁者の糖代謝およびインスリン反応
佐々木 陽鈴木 隆一郎堀内 成人松宮 和人荒尾 雅代
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1977 年 20 巻 5 号 p. 610-616

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抄録

Prediabetesへのアプローチの一方法として, 3歳3ヵ月で発病した小児糖尿病の血縁者で, 祖父母の同胞およびその子孫までに至る61名中55名の検査を行い, その糖代謝およびIRI反応について検討した.1) 糖代謝異常は55名中14名 (25.5%) にみられ著しく高率であった.これを患児の4親等以内の血縁者 (Group I) と5親等以上のもの (Group II) の別にみると, Group Iにやや頻度が高く, とくに0~19歳の若年層で7名中2名に糖代謝異常がみられた.平均血糖値は0~19歳の年齢層を除いて, 両Group間にとくに差はみられなかった.
2) 糖代謝の正常な35名についてIRI反応を両Groupで比較すると, 患児と血縁関係の近いGroup Iでは血縁関係の遠いGroup IIに比しIRI反応が低く, またすでに報告したインスリン分泌の指標, IRI面積/血糖面積比も低下する傾向のあることが認められた.
以上の結果, 糖尿病患児の糖代謝正常な近親者でもIRI反応が低下しており, prediabetesにおけるインスリン分泌の減退が示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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