糖尿病
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実験的糖尿病ラットの膵臓移植におけるインスリン, グルカゴンの分泌動態
門脇 誠三清野 裕田港 朝彦後藤 康生井上 喜通森 幸三郎千葉 勉井村 裕夫西本 政功佐竹 良章野沢 真澄
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1978 年 21 巻 7 号 p. 643-649

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抄録

streptozotocin (STZ) 処置により作成した実験的糖尿病Lewis系ラットに対し, Lee, 野沢等の方法により同系全膵十二指腸移植を行い移植後の糖代謝ならびにアルギニン静注 (100mg/kg) に対するインスリン, グルカゴンの分泌動態につき検討を加え, 以下の成績を得た. 血糖はグルコースオキシダーゼ法, インスリンはラットインスリンをスタンダードに用いるPEG法, グルカゴンは30Kを用いるタルク法により測定した.
(1) STZ処置ラットの空腹時血糖値は有意に上昇しており, アルギニンに対するインスリン反応も極めて不良であった.
(2) STZ処置ラットでは高血糖にもかかわらずグルカゴンの基礎値は正常ラットと著変はみられなかった.
(3) STZ処置ラットに全膵十二指腸移植を行うと空腹時血糖値は全く正常化し, アルギニンに対するインスリン反応も明らかに改善された.
(4) STZ処置ラットの全膵十二指腸移植後のグルカゴンは高値を示していた.
以上の成績は, ラットにおける全膵十二指腸移植が糖尿病研究, および治療の研究の一手段として有用である可能性を示唆する.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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