糖尿病
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21 巻 , 7 号
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  • 梅沢 きよ子
    1978 年 21 巻 7 号 p. 617-625
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    上腕囲と体重増減度 (身長別標準体重に対する土%) は高い相関を有し, 回帰式で示された直線関係が得られる. この回帰直線の勾配を用いて補正した体重補正上腕囲は上腕筋肉量を推定する指標である。著者は, 糖尿病患者の筋肉量が減少しているのではないかと考え, 体重補正上腕囲を用いて検討した. 対象は糖尿病患者男102例, 女72例とおのおのの患者の性, 年齢, 身長, 体重にmatchした対照を選んだ。糖尿病患者の上腕囲 (Y) cmと体重増減度±%(X) の回帰式は男Y=0.16X+27.3女Y=0.18X+27.4であり, 対照のそれは男Y=0.18X+27.9女Y=0.18X+27.7であった。直線の勾配0.16および0.18よりおのおのの体重補正上腕囲を求めた。糖尿病患者男の体重補正上腕囲は27.3±0.2cmで, 対照の27。9±02cmより有意 (P<0.02) に, 減少し, 糖尿病患者女の体重補正上腕囲は27.4±0.2cmで, 対照の27.7±0.2cmより減少しているが, その差は推計学的に有意でなかった。糖尿病患者男と対照の40代, 50代, 60代の体重補正上腕囲は加齢とともに漸減し, 50代と60代の差は推計学的に有意であった。女では糖尿病患者, 対照とも年齢とともに減少するという成績は得られなかった。以上, 糖尿病患者男では, たとえそれが肥満型であっても, 筋肉量の減少していることが推定された。
  • 土井 邦紘, 江原 成禎, 芳野 原, 川口 侃, 馬場 茂明
    1978 年 21 巻 7 号 p. 627-636
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    兵庫県播州平野に位置する人口約5万の加西市において1960年から1975年の15年間にわたって糖尿病住民検診を行った. 本稿では, その際, ブドウ糖負荷試験により分類された腎性糖尿と境界型糖尿病とを総括して疑い糖尿病としてまとめ, 糖尿病への発症過程について検索した.
    対象者は20歳以上の成人で朝食後の尿糖をテステープで判定量し, 陽性者に対しては509のブドウ糖負荷試験を行った. その結果, 疑い糖尿病は1960年度負荷試験受験者の40.7%, 1970年度は59.2%であり, 1975年度は43.0%であった. このうち, 15年間追跡調査し得た26症例について以下検討した,
    最初の5年間では, 疑い糖尿病から糖尿病型に4例 (15.4%) が移行し, また10年後もやはり同数の4例が移行したが, 15年後の1975年度検診時には半数以上の15例 (57.7%) が糖尿病型に移行した. しかし一般に糖尿病は軽症で血管障害も少なく, 余命も期待生存率とほとんどかわりがなかった. また, 疑い糖尿病者の死因は糖尿病者で見られたのと同様に脳血管障害が第1位を占めていた.
    このような病型の移行には肥満が及ぼす影響が大きく関与していたが, 糖尿病の家族歴の有無とはあまり関係はないようであった.
    以上この調査から疑い糖尿病は糖尿病型へ移行する率が短期間では少ないが, 10年以上経た場合には非常に高率に移行することが判明した.
  • 市川 勝之, 赤沼 安夫, 小坂 樹徳
    1978 年 21 巻 7 号 p. 637-642
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    精度, 特異性, 再現性の高いgas-1iquidchromatography (GLC) による血漿tolbutamide (TB) およびchlorpropamide (CP) レベルの測定法について述べた.
    血漿0-5mlに, internalstandard (IS) としてN-methyl-para-toluene-sulfbnamide 10μgを加え, 酸性下でクロロホルム抽出し, アルカリで分配後, 再びクロロホルム抽出した試料をGLCで測定した.
    GLCは, 2mガラスカラム (dual) に, 3%XE60, AW, chromosorb W, DMCS (100~120mesh) を充填し, FID付きのHITACHI-163およびSHIMAZU-GC6Aを用い, カラム温度は230℃, 検出器温度は, 280℃, キャリヤーガスN230ml/分, H2: 0.6kg/cm2, Air 1.9kg/cm2とした. TB, CPのGLCでの熱分解を促進させるため, 試料注入部にグラスウールを少量つめた.
    回収率はTBで90~98%, CPで96~110%で, ガスクロマトグラムのピークも尖鋭であり, 特異性も問題なく, 再現性のcoemcientofvariation (CV) は6%前後, 検量線の直線性は5~160μg/mlに認められ, CVはT8: 3.3%, CP: 4.8%であった. 20検体の抽出, 定量に要する所要時間は約3時間であった.
  • 門脇 誠三, 清野 裕, 田港 朝彦, 後藤 康生, 井上 喜通, 森 幸三郎, 千葉 勉, 井村 裕夫, 西本 政功, 佐竹 良章, 野沢 ...
    1978 年 21 巻 7 号 p. 643-649
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    streptozotocin (STZ) 処置により作成した実験的糖尿病Lewis系ラットに対し, Lee, 野沢等の方法により同系全膵十二指腸移植を行い移植後の糖代謝ならびにアルギニン静注 (100mg/kg) に対するインスリン, グルカゴンの分泌動態につき検討を加え, 以下の成績を得た. 血糖はグルコースオキシダーゼ法, インスリンはラットインスリンをスタンダードに用いるPEG法, グルカゴンは30Kを用いるタルク法により測定した.
    (1) STZ処置ラットの空腹時血糖値は有意に上昇しており, アルギニンに対するインスリン反応も極めて不良であった.
    (2) STZ処置ラットでは高血糖にもかかわらずグルカゴンの基礎値は正常ラットと著変はみられなかった.
    (3) STZ処置ラットに全膵十二指腸移植を行うと空腹時血糖値は全く正常化し, アルギニンに対するインスリン反応も明らかに改善された.
    (4) STZ処置ラットの全膵十二指腸移植後のグルカゴンは高値を示していた.
    以上の成績は, ラットにおける全膵十二指腸移植が糖尿病研究, および治療の研究の一手段として有用である可能性を示唆する.
  • 井藤 英喜, 折茂 肇, 中野 忠澄, 大山 俊郎, 白木 正孝, 後藤 一紀, 中尾 純子, 後藤 昌司, 勘場 貢
    1978 年 21 巻 7 号 p. 651-659
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    60歳以上の老年者糖尿病型耐糖能が, 脳梗塞, 胸部, 腹部および大腿動脈石灰化という4つの血管障害の個々の症例における組み合せの検討から, 脳梗塞を認める群 (DM2) と脳梗塞を認めない群 (DM1) の2群に大別されること, この際大腿動脈石灰化 (+) を含む組み合わせのほとんどがDM1に分布することを前報において報告した. そこで今回さらに従来より糖尿病の病態を示すとされている, 糖尿病性網膜症, インスリン分泌能, 空腹時血糖値, 糖負荷後の血糖頂値, および糖負荷後の血糖パターンなどの特性値を用いてDM1とDM2が判別可能であるか否か, 判別可能とすればどの特性値の寄与が大か, 言い換えるとDM1とDM2の特徴的所見は何かという点につき, カテゴリカル正準判別分析法および判別関数を用い検討した. その結果ここで与えた5特性による2群の判別は, 脳梗塞を認める群 (DM2) で70%, それを認めない群 (DM1) で67%の正診率を示した。その際この2群の判別に寄与する観測特性は, 糖尿病性網膜症およびインスリン分泌であった. その検討から脳梗塞を認める老年者糖尿病型耐糖能例では, 糖尿病性網膜症を有するがインスリン分泌が比較的高値である例の多いことが明らかとなった.
    一方血管障害の種々の組み合わせの中で, 大腿動脈石灰化 (+) を含む組み合わせは, 大部分DM1に分布したが, 症例数およびその母集団に対する割合 (頻度) はDM1, DM2間に差異は認めなかった。胸部, 腹部大動脈石灰化についても両群間において, その頻度に差異を認めなかった. したがって今回の検討では大動脈石灰化例の臨床的特徴は明らかにされなかった. しかし, 大動脈石灰化が脳梗塞と異なった分布を示すこと, 臨床的特徴が脳梗塞では明らかにされたのに比し大動脈石灰化では明らかにされなかったという事実は, 大動脈石灰化が脳梗塞とは異なった臨床的特徴, 病因を有することを示唆したものと考えられた.
    最後にここで導出した (正準) 判別式を用いて-見均-と考えられる老年者糖尿病型耐糖能が2群に分け得ることの意義につき考察を加えた.
  • 南條 輝志男, 三家 登喜夫, 近藤 渓, 小池 広昭, 森山 悦裕, 猪尾 和弘, 宮村 敬
    1978 年 21 巻 7 号 p. 661-669
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    家兎を用いて胆管閉塞が血中グルカゴン値に及ぼす影響を観察するとともに, 胆管閉塞時血中グルカゴンと胆汁中グルカゴン様物質との関連についても検討した.
    pentobarbita1麻酔下に総胆管閉塞術前後 (n=10) の血糖, 血漿インスリン, 血漿グルカゴン, 肝機能, 血漿アミラーゼを測定し, shamoperation (n=5) と比較した. なおグルカゴン (IRG) は特異抗体30Kを用いて測定した. その結果, 胆管閉塞後肝機能に高度な異常が出現しない時期よりIRGの増加は有意であり, 血糖, インスリンは不変であった. 次にBioGel P-10カラムによるIRGのゲル炉過像を見ると, 胆汁中には分子量約2,000のIRGが大量 (20~30ng/ml) に存在し胆管閉塞後高IRG血i漿は大部分が大分子量IRGにより構成されていた. 胆汁をin vitroで正常血漿とあらかじめincubationすると胆汁中IRGはゲル炉過上, 大分子量IRGに変換されその分画像は胆管閉塞後の血漿IRGと類似していた. また, 酸性条件下のゲル炉過で大分子量IRGはいずれの場合も消失した. 以上より胆管閉塞時高IRG血症に胆汁中IRGが関与していると考えられる. なお, 胆汁を非特異抗体AGS-10 (島, 松山) で測定した値は30Kによる値の1/10以下であったことより, 胆汁中のグルカゴン様物質は特異抗体30Kにのみ強い反応性を有する物質と思われる.
  • 池田 匡, 徳盛 豊, 白石 正晴, 武田 倬, 富長 将人, 安東 良博, 真柴 裕人
    1978 年 21 巻 7 号 p. 671-677
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリノーマ患者の中には, 血中インスリンが低値を示すものでも, 低血糖発作をきたす症例があり, 種々のインスリン拮抗ホルモンの分泌動態に異常をきたしている可能性も考えられる. 今回われわれは, 3例の良性インスリノーマ患者において, 3例に50gO-GTTおよび絶食試験を, 3例中2例にトルブタマイド負荷試験を行い, 低血糖に対するグルカゴン反応について検討した.
    50g O-GTTおよび絶食試験においては, 低血糖に対するグルカゴン反応は良好で, 血糖値と血漿グルカゴン値との間には, 有意の逆相関 (r=-0.79, P<0.001) が認められた. 一方, トルブタマイド負荷試験においては, 低血糖に対するグルカゴン反応は不良であった.
    以上の成績より, 1) インスリノーマにおいては, 低血糖に対するグルカゴン反応は, 良好に保たれており, 2) トルプタマイドの膵A細胞に対する直接的な抑制効果が示唆された。
  • 成田 祥耕, 馬場 正之
    1978 年 21 巻 7 号 p. 679-682
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The F-and M-wave conduction velocities (FCV and MCV) of the right median nerve were studied in 15 normal subjects (11 males and 4 females; mean age 43.4 yr) and 25 diabetics (13 males and 12 females; mean age 46.8 yr). All the diabetics showed no symptoms or signs suggestive of radiculopathy.
    Supramaximal stimuli were applied to the wrist and elbow. The evoked potential was recorded by surface electrodes placed over the thenar. For measurement of the FCV, the shortest latency of several F responses was chosen.
    The distal FCV (cord to wrist) and MCV (elbow to wrist) in the diabetics were significantly reduced compared to the values in normal subjects. Also, the proximal FCV (cord to elbow) in the diabetics was 57.9±4.9 m/sec (mean ± SD). This value indicated a significant slowing when compared to the 62.2±3.9 m/sec in normal subjects.
    The above results demonstrate a pathological process of the proximal segment as well as the distal segment of the peripheral nerves in the diabetics.
  • 1978 年 21 巻 7 号 p. 683-698
    発行日: 1978/07/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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