抄録
高糖質低脂質食 (以下, 高糖質食) と低糖質高脂質食 (以下, 高脂質食) による血中TGとIRI, IRGの変化を健康な非肥満者5名と肥満者8名で検討し, これらの相互関係を考察した.
血中TG, 空腹時IRI, IRI/IRGは肥満群で有意に高値を示した (P<0.01), P<0.05).また, アルギニン負荷にて肥満群でインスリンおよびグルカゴンの分泌充進を認めた.
高糖質食4日間, ついで高脂質食4日間の食事で, 血中TGは有意に低下し (P<0.01) 空腹時IRIは低下, 空腹時IRGは増加する傾向を示した (n.s.).肥満度と血中TG (高糖質食P<0.01, 高脂質食P<0.01), 肥満度と空腹時IRI (高糖質食P<0.05, 高脂質食P<0.05), 血中TGと空腹時IRI (高糖質食P<0.01.高脂質食P<0.01) を賄意の欄を示した.また滴糖質食より高脂質食の変化によるTGの低下は, 空腹時IRIの変化と有意の相関を示した (P<0.05).
肥満の高TG血症はインスリンとの相関がグルカゴンとより強く, TG代謝にはインスリンがグルヵゴンより強く影響していると考えられた.さらに, 血中TGの変化にはインスリン以上に糖質摂取量が大きく影響していると思われた.