1979 年 22 巻 8 号 p. 875-882
糖尿病の合併症として, amyotrophyは比較的稀なものであり, 多数例についての詳細な報告は少ないようである。8年9カ月の間に経験した21例のdiabetic amyotrophy患者において, 年令, 推定罹病期間, 空腹時血糖値, 体重, 合併症, および筋電図, 筋生検所見などにつき検討し以下の結論を得た.
本症の頻度は1.72%であり, 中年以降のやせた, 糖尿病のコントロール不良例に多くみられ, 特に高令者においては, 糖尿病発症後早期に出現する傾向があった. また筋電図および筋性検所見においては, 神経原性変化が主体であり, ほとんどの症例において知覚障害, 深部反射の低下を認め, いわゆるGarlandのdiabeticamyotrophyに適合する症例は認められなかった。
以上よりdiabetic amyotrophyは, 大部分がclassical diabetic neuropathyの1つの表現であると考えるのが妥当と思われた.