糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
CSII (持続皮下インスリン注入療法) 施行例におけるSemi-synthetic Human Actrapid Insulin (Novo) とPorcine Actrapid Insulinの比較
難波 光義中島 弘野中 共平垂井 清一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 45-48

詳細
抄録
長期的にCSII (持続皮下インスリン注入療法) を施行していたI型糖尿病症例においてSemi-synthctic Human Actrapid Insulin (SHAI, Novo) とPorcine Actrapid Insulin (PAI) の薬効比較を行った. PAI使用中およびSHAIへ変更直後に施行した血糖, 血清遊離インスリン, 血漿グルカゴン値, 各々の日内変動に著差は認められなかった. SHAIへの変更前後の各1年間のHbA1値はそれぞれ8.7±0.7%, 8.2±0.7%で有意の改善が認められた. 1日のインスリン必要量や自覚症状を伴うインスリン低血糖の回数には差は認められなかった. 皮下注針刺入部位のインスリン局所アレルギーやリポディストロフィーなどの所見は観察されなかった. 以上, SHAIはそのbioavailabilityにおいてPAIと差はなく, CSII施行例におけるきりかえにも特に問題はないと考えられる.
著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top