糖尿病
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ラット初代培養肝細胞よりのVLDL分泌に及ぼす自律神経因子の影響
村野 俊一白井 厚治斎藤 康吉田 尚
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1988 年 31 巻 10 号 p. 781-786

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抄録

ラット単離培養肝細胞を調製し,[14C] Acetate,[14C] Palmitateを基質として超低比重リポ蛋白 (VLDL) 分泌に及ぼす自律神経系の役割を明らかにすることを目的に研究を行った.
[14C] AcetateによりラベルしたVLDLの分泌はエピネフリンにより抑制され, アセチルコリンによっては影響をうけなかった.更にノルエピネフリンでは抑制されたが, イソプロテレノールでは影響は認められなかった.[14C] Palmitateを用いても同様にVLDL分泌はエピネフリン, ノルエピネフリンで抑制された.エピネフリンのこのような抑制はフェノキシベンザミンの前処置により濃度依存的に回復された.
以上のことより, 交感神経が肝細胞のα受容体を介してVLDLの分泌を抑制的に調節していることが推測される.

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