糖尿病
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肝硬変における膵B細胞機能
四塩化炭素投与肝硬変ラットにおける検討
中村 隆彦大槻 眞岡林 克典藤井 正俊谷 聡藤澤 貴史馬場 茂明
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1988 年 31 巻 12 号 p. 903-908

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抄録

50%四塩化炭素2ml/kg体重を週2回, 16週間皮下投与し, 肝硬変ラット (LZ群) を作製し, 肝硬変におけるインスリン分泌機能について検討した.対照群には, 同量のオリーブ油を皮下投与した.末梢血の血糖値は, 両群間に差はなかったが, インスリン値はLZ群 (2.1±0.3ng/ml) において対照群 (1.2±0.3ng/ml) より有意に高値であった.膵インスリン含量は対照群に比べLZ群の方が低値であった.摘出膵灌流実験では, グルコース16.7mMおよびcholecystokinin octapeptide (CCK-8) 100pM刺激に対するインスリン分泌量は, 共に, LZ群では, 対照群の約60%に低下していたが, アルギニン20mM刺激に対するインスリン分泌反応には, 両群間で差を認めなかった.以上より, 肝硬変ラットでは末梢血中インスリン濃度が高値であるのに反し, in vitro摘出灌流膵ではインスリン分泌能が低下していた.その上インスリン分泌能の刺激応答性には, 選択的な変化が示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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