糖尿病
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糖尿病におけるApple Fiberの臨床的検討
血中アポ蛋白濃度におよぼす影響
筒井 理裕小沼 富男朴 明俊落合 滋梁田 敦子武部 和夫
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1989 年 32 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

インスリン非依存型糖尿病患者14名 (男2名, 女12名) を対象とし, アップルファイバー (AF) の血中アポ蛋白濃度に対する効果について検討した.AFは1日15gを16週間投与した.アポ蛋白AIは投与前 (119±6mg/dl, Mean±SE) と比べて16週後 (141±5mg/dl) に有意 (p<0.01) に増加し, アポ蛋白Bは投与前 (151±9mg/dl) と比べて8週後 (137±9mg/dl), 16週後 (131±8mg/dl) に有意 (いずれもp<0.05) に低下した.アポ蛋白B/AI比であらわしたアポ蛋白動脈硬化指数は投与前 (1.29±0.08) と比べて8週後 (1.17±0.09), 16週後 (0.95±0.07) に有意 (それぞれp<0.05, p<0.01) に低下した.これらはAFの投与が血中アポ蛋白に抗動脈硬化的な変化をもたらすことを示唆する成績であり, 糖尿病患者にAFを投与することは意義あることと思われた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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